社会人になってある程度すると結婚したり子供が生まれたりしてライフスタイルが変わってきます。そうしたときに不動産（家）を購入するか賃貸にするかの選択に直面します。
実際、購入と賃貸どっちが良いのでしょうか。ここでは初めに結論を言ってしまいますが私は賃貸の方がメリットがあると考えています。
賃貸のメリットは以下のものが挙げられます。順番に説明していきますね。
①イニシャル費用が安価に済む
②修繕費用が貸主負担
③ ライフスタイルによって柔軟に間取りを変更できる
①イニシャル費用が安価に済む
家を購入する場合、多くの方は頭金を払ってローンを組みます。頭金は人にもよりますが数百万円は用意するケースが多いです。そしてその頭金を差し引いた金額をローンとして毎月返済してくことなります。賃貸であれば初期費用はかかるにしても、購入の頭金ほどはかかりません。この点でイニシャル費用が購入よりも安価な賃貸は経済的にメリットがあると言えます。
ただし私が本当に指摘したいことは単純比較してイニシャル費用が賃貸の方が安いから良いという点ではありません。本当に指摘したいのは頭金を支払わなければ得られたであろう収益の点です。
例えば購入する場合の頭金が600万円、賃貸の場合のイニシャル費用が100万円とした場合、その差額は600-100=500万円になります。賃貸の場合は初期費用が安いため、この500万円は自由に使用できる金額になります。仮にこの500万円を投資で運用したとしましょう。日本の預金は金利が0.001%程度で話にはなりませんが米国株のインデックス投資などであれば固く見積もっても年3～4%のリターンを得ることができます。この500万円を運用すると一年後には
500×1.03=15万円のリターンが得られます。細かい計算は省きますが仮にこの投資を30年間、運用したとするとこの500万円は10年後に670万円、20年後は900万円、30年後は1,200万円になります。つまり不動産購入のために頭金を使わず投資すれば30年後には2.4倍になって返ってくる来る計算になります。不動産購入の頭金に使用していたらこのリターンを得ることはできません。
この点から大きな金額は不動産の頭金に充当するのではなく賃貸に住み、投資に回した方が経済的にメリットがあると言えます。
② 修繕費用が貸主負担
これは意外と知られていないのですが賃貸契約だと日常的に使用することによって劣化する諸設備の修繕費用は貸主が負担することが一般的です。たとえば屋根、屋上、ベランダの防水工事、外壁修繕、給水ポンプ、給湯器、エアコンの交換、防錆工事、クロス、クッションフロアの張替、ふすま、網戸の張替などは日常的に使用することに発生する劣化は貸主負担で修繕しなければなりません。仮に不動産を購入したとなるとこれらの修繕費用は当然オーナーである所有者がすべてを負担する必要があります。不動産は他の金融商品と異なり、定期的に設備をメンテナンスしなければいけないという点が厄介であると言えます。賃貸はこの点を貸主に負担してもらえるのでメリットがあると言えます。
③ ライフスタイルによって柔軟に間取りを変更できる
これが私が賃貸の最も大きなメリットだと考えています。不動産を購入する場合、当然、購入時の理想的な間取りを想定して家選びをするはずです。色々、物件を検討した結果、ある物件に決定して購入を決定します。頭金も支払い、数十年のローンを組んで自分だけの家を買う、そこにはいろいろな理想があるでしょう。子供部屋はいくつ、最新式のキッチン、大きなお風呂など色々、想像するだけでも楽しいです。購入後数年は購入検討当時の理想通りの生活ができるかもしれません。
しかし、その状態がローンを組んだ数十年間続くでしょうか。ライフスタイルは10年、20年経つと大幅に様変わりします。小さかった子供は大人になり独立して家を出るかもしれません。考えたくはありませんが夫婦仲が悪くなり離婚する可能性もあります。天災の多い日本においては地震が来るかもしれません。家族構成が変わると以前は理想的であった間取りも不便に感じることが多々あります。しかし購入した場合はこの間取りを変更するにはまた大きな金銭負担を伴います。その点、賃貸であれば家族が増えれば間取りの広い物件に引っ越せばよいし、少なくなったらその人数に最適の物件を探せばよいです。天災があっても賃貸契約を解約して別の物件を探せばよいですし、子供が今の家から遠いところに
通学するとなると学校の近くに引っ越せばよいですね。このように賃貸は現状のライフスタイルに合わせた物件を選択することができるメリットがあります。近年はテレワークも盛んになってきており必ずしも会社の近くに住む必要性もありません。ネット通販も発達しお店の遠方に住んでいたとしても宅配で必要な物は届けてくれます。テクノロジーの進歩で人のライフスタイルの変化スピードがどんどん速くなってきています。そういった点でもいつでも身軽にいろいろなところに引っ越すことができる賃貸の方が不動産を購入するというスタイルより受け入れられるのではないかと考えています。
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