令和8年の年金定期便が届きました。
昨年の年金額は1030,000円でしたが今年は1,121,000円と91,000円ほど増額しています。
国民年金と厚生年金保険料で既に1,134万円支払っていました。
年金定期便が届くたびに、あまり割の良い金融商品ではないなと思います。もちろん年金は金融商品ではなく老後の生活を支えるための社会保障制度であり、単純な損得だけで評価するものではないことは理解しています。しかし、自分がこれまで負担してきた保険料と、将来受け取る予定の年金額を比較すると、違和感を感じてしまいます。
例えば、年金定期便に記載されている厚生年金の被保険者負担額が1,000万円だったとします。厚生年金は会社と本人がほぼ同額の保険料を負担する仕組みですので、企業側も約1,000万円を負担していることになります。つまり、私の年金のために拠出された保険料の総額は約2,000万円ということになります。
一方で、65歳から受給できる年金額が年間112万円である場合、2,000万円を受け取るには約18年間受給し続ける必要があります。65歳から受給を開始すると、支払総額に相当する金額を受け取るのは83歳頃になります。つまり、83歳前後まで生きて初めて、拠出された保険料の総額に見合う金額を受け取る計算になります。
もちろん、この計算は非常に単純化したものです。年金は終身で支給される制度であり、物価や賃金に応じて支給額が改定されることもあります。また、障害年金や遺族年金といった保障機能も含まれているため、支払額と受給額だけを比較して制度全体を評価することは適切ではないという考え方もあります。しかし、それでも「80歳を超えるまで生きなければ支払総額に届かない」という計算結果を見ると、制度に対して複雑な思いを抱いてしまいます。
私が特に疑問に感じるのは、年金定期便には本人が負担した保険料しか記載されておらず、企業が負担した保険料が記載されていないことです。厚生年金は労使折半が原則であり、企業が負担した保険料も年金制度を支える重要な財源です。そのため、自分の年金のために実際にいくらの保険料が拠出されてきたのかを正確に知るためには、企業負担分も併せて表示されるべきではないかと思います。
確かに、企業負担分は法律上は会社が負担する保険料であり、給与から天引きされる本人負担とは性質が異なるという説明は理解できます。しかし、その保険料も従業員を雇用するための人件費の一部であり、最終的には自分の年金制度を支えるために拠出されたお金です。その金額が年金定期便に記載されていれば、国民は制度全体をより正確に理解することができるはずです。
それにもかかわらず、企業負担分が記載されていない現状を見ると、「企業負担分まで含めた総額を示すと、現在の年金制度が割に合わないと感じる人が増えるため、あえて表示していないのではないか」という印象を受けてしまいます。もちろん、そのような意図が実際にあると断定することはできません。しかし、制度に関する重要な情報が十分に示されていないことが、国民の不信感につながっている面はあるのではないでしょうか。
年金制度は、現役世代が高齢者を支える社会保障制度であり、単純な損得だけで評価できるものではありません。しかし、だからこそ制度の透明性が重要だと考えます。本人負担額だけでなく企業負担額も併せて示し、自分の年金のためにどれだけの保険料が拠出されてきたのかを分かりやすく公開することが、制度への理解と信頼につながるのではないでしょうか。国民が納得して制度を支えるためには、より積極的な情報公開と丁寧な説明が必要であると考えます。

コメント