サラリーマンにとって年収1,000万円と聞くと一つの目標と捉える人が多いと思います。日本の平均年収は400万円ほどで1,000万円と聞くとその倍なので良い生活ができると想像しがちですが実際はそうではありません。今回はその理由についてお話しましょう。
①年収が高い仕事ほど高ストレスになりがち
年収が高い仕事のほど「消耗が激しい仕事」つまり高ストレスな仕事になりがちです。それは当然のことで処理ができる人が少ない仕事ほど年収が上がりますがそういった仕事の多くが日夜仕事に追われる傾向が高くなります。高年収を目指す人は能力が高く上昇志向が強い方が多いため高収入のために長時間労働を何年もこなし、ライバルたちよりも高い成果を出してそのようなポジションにたどり着きます。しかしそのようなポジションはライバルと争って獲得したものであるためそのポジションを維持するために絶えず競争をしなけえればいけません。外資系企業であれば事業計画が達成できなければすぐに他の人にとって代わられます。そのためその恐怖から逃れるため利益を上げようと必死に働きます。このような生活をしていると健康上の問題に支障を来すリスクも高くなり仕事を継続できない場合も出てきます。
②年収があがるごとに生活水準を上げてしまう。
パーキンソンの第二法則というものがありますがこれは「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」というものです。つまりこれを家計に当てはめると「給料が25万円の場合、25万円まで支出が増える」という意味になります。ひどい人では給料以上に支出を増やしてしまい借金持ちになってしまいます。年収が1,000万円を超える人は全労働人口の中で上位5%になります。そのため自分は特別な人間だと錯覚し支出も多くなりがちです。しかも一度、良いものを知ってしまうとそこからモノの質を下げてしまうことが許せなくなり、収入が下がったとしても生活水準を下げることができなくなる傾向があります。また年収が上がってくるとブランド物、高級車などぜいたく品が目に入るようになり生活支出が多くなりがちになります。
③年収が上がるごとに社会保険料、税金が上がる
年収が500万円から1,000万円の2倍になったとしても収入が倍になるわけではありません。なぜなら年収から社会保険料や税金が差し引かれて手取り収入が算出されるからです。たとえば年収500万円であれば手取り収入は約400万円、一方年収1,000万円の手取り収入は740万円になります。
つまり年収500万円から1,000万円にアップしても実際に手に入るお金は740÷400=1.85倍にしか増えません。日本の社会は年収が高くなれば社会保険料や税金の負担率が高くなる累進課税方式のためこのような計算になります。つまり年収500万円の人は5日働くとすると1日、年収1,000万円の人は1.3日は自分のためではなく社会保険料、税金を納めるために働いていることになります。
ちなみに年収5,000万円の人は手取り収入は約半分の2,500万円程になりますので負担する税金の割合がかなり大きくなってしまうことが分かります。
このように一見華やかに見える年収1,000万円のサラリーマンは意外に消耗するうえ、支出もコントロールできないケースが多くいつまでたっても働き続けれなければいけない環境に嵌ってしまう可能性が高いです。
年収1,000万円あったとしてもサラリーマンである以上は他人から仕事をもらって働かざるを得ない労働者であるカテゴリーから抜け出ることはできていません。
このような状況下で私たちにとって大事なことは仕事はほどほどにやりつつ、手に入れた収入を投資などに回し、収入源の複数化を図ることが今後、重要になってくると考えています。
参考資料
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