長期投資を学ぶ上で、理解しやすく面白い内容でした。日本株ではなく米国株をしていった方が資産形成には有効であるということが改めて理解できました。
内容も小説のような形式になっており投資初心者の隆一と専門家の先生との間で対話形式になっており理解しやすい形になっています。隆一は過去、個別株をしていたことがありますが個別銘柄の日々の値動きが気になって本業の仕事が手につかない状況になっています。この辺りは個別株をやったことがある方は良く経験することではないでしょうか。これに懲りて先生に長期投資の有効性を教えてもらいます。印象に残った部分は以下です。
①金持ちは株で資産を増やしている
ビルゲイツ、孫正義など自分でビジネスを始めて成功している人たちは莫大な資産を築いていますが彼らの資産の大半は自社の株式でその株価が上昇することによって資産を増やしています。そしてその株式市場の中心がアメリカであり過去20年間で株価は3倍、過去30年間でみると10倍になっているということです。一方日本の株価は20年間でほとんど上がっていない状況です。このような原因として日本は高齢化が進んでいることや人口の逓減化などが挙げられる一方、アメリカは将来的にも人口は増加する見込みで継続的な市場経済の成長が見込めます。
市場経済の継続的成長が見込めれば株価の継続的な値上がりは見込めます。アメリカ株式市場も過去、同時多発テロ、リーマンショック、コロナショックなど暴落を経験してきました。暴落による一時的な下落を経験しながら最終的には復活してきています。このようにか株式投資は一時的な値下がりリスクはあるものの資産を増やすためには必須の手段であることを説明してくれています。
②投資で儲けたお金は汚くない
①で書きましたが日本株式市場は過去20年間ほとんど値上げっていないため多くの日本人が自己資産の半分以上を預貯金で運用してきました。そのため投資経験が全体的に乏しく投資で儲かったお金=あぶく銭であり労働の対価などで得られたお金こそ尊いという価値観が育ってきました。しかしお金自体には色は付いておらず、投資で儲けようが労働で手に入れようが手に入れた100円は等価であり貴賤などありません。投資は資産形成を行うにあたり有効な手段であるため投資に変なイメージを持って自分から遠ざけてしまうことは将来の資産形成を阻む大きな障害になるためそのような考えは捨てるべきです。
サラリーマンの人であれば自分の労働で対価を得るのと並行して証券口座をつくり余裕資金を投入してそこから投資をはじめ投資からも対価を得るという収入源の複数化やハイブリッド化(マルチソース化)を図ることが重要になってきます。
③投資は人生の選択肢を増やす必要な手段
多くの人が億万長者になることを目標にしているわけではなく今よりも豊かな生活をしたいと思って投資、資産形成を始めていると思います。お金があればいろんな趣味を楽しむことができますし、子供がいれば望んだ教育を受けさせることができます。しかしお金がなければ自分自身の生活を維持するだけで精一杯になり結婚など家庭を作るという選択肢も選ぶことは不可能です。つまり自分の人生を自由に生きるためにはお金は不可欠な要素であり経済的な自立を達成できなければ自分の人生も自由に選択することができないということを認識しておくことが重要になります。
この本では小説の終わりに具体的にどのような商品に投資をすれば良いか言及されておりその部分だけ読んでも十分有益な情報が得られます。
具体的には
①アメリカ株を代表とするインデックスに投資をする
②手数料の低いインデックスと投資を購入する
③10年以上を前提とする長期投資を行い、複利効果を最大限生かす
など投資初心者でも実施可能で再現性の高い方法が紹介されています。皆さんもこの本を読んでから投資を始めても良いのではないでしょうか。
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