生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだ

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今回取り上げる本は生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだです。保険についての本は色々読みましたが今回の本も初心者でも理解しやすい読みやすい本でした。読んで感じたことは以下です。

①貯蓄目的で保険に入ってはいけない

そもそも保険とは発生する可能性は低いが万が一発生した場合、その損失が大きいためそのような事態があった場合に備えるためのものです。具体的にいうと一家の大黒柱が万が一、亡くなった場合、残された配偶者や子供がその後の生活に困らないように生命保険に入っておくなどがそのようなケースです。起こりうる可能性はかなり低いが発生した場合、生活に大きな影響を与えるような事態が発生するケースに備えて保険に入ることは有用です。

「将来の健康が不安だから」、「国の年金制度だけでは不安だから」という理由で保険に入る人がいます。これらの事態には保険に入るよりも貯蓄で備えた方が良いです。例えば医療保険に入って入院1日につき1万円の給付があるといってもその給付は保険会社がタダで私たちに給付する訳ではなく、その原資は毎月払い込んでいる保険料です。つまりもともとは自分のお金でそのお金を保険料としてではなく貯蓄として備えれば良いのです。保険会社は内訳を開示しませんが支払った保険料の中には付加保険料といって給付の原資ではなく保険会社の社員の給料や一等地に事務所を構えるためのテナント代に充当される費用も含まれています。このような費用を負担しても保険加入者には何らメリットはありません。加えて日本には高額療養費制度という優れた制度があり保険対象の治療であれば一般的な所得の人は1か月10万円以内の自己負担で対応が可能です。

また保険は「不幸の宝くじ」と言われたりすることがあり、病気にならなければお金は給付されません。しかし貯蓄であれば手元にあるのはお金なので病気にならなくても自分の楽しみや趣味など幅広いものに使用が可能です。このように漠然とした不安を理由に保険に入ることは経済合理性がありません。私たちは生き物ですのでどうしても感情で物事を捉えがちですが保険の加入を検討する際は感情ではなく理屈で判断すべきです。

②保険に入ったから安心というが保険に入ったから病気にならないわけではない

保険会社の営業トークに「保険に入っておけば安心ですよ」、「保険はお守り代わりですよ」というものがありますが勘違いしてはいけないのが保険に入ったからといって病気にならない訳ではないということです。保険はあくまでも病気になった場合、お金を給付してくれるだけで病気そのものを治してくれるわけではありません。健康に不安だから保険に入るという人がいますがこれは保険に入る=病気にならなくなると勘違いしているケースが多いです。このようなケースでは保険料を払って保険に入るくらいなら病気にならないようにライフスタイルを変える、仕事の残業時間を減らすなど健康を阻害する要因そのものに対策を行うことが保険に入るよりも有効です。お守り代わりに保険に入るのであれば神社でお守りを買った方が安く買えます。

③保険会社の社員ほど保険に入っていない

これも大きな矛盾ですが保険をお勧めしている保険会社の社員ほど保険に入っていません。彼らはプロですので国が提供してくれる健康保険制度が優れていること、大半の保険商品を購入するよりも貯蓄や投資で資産形成をした方が合理的であると知っているからです。彼らは保険会社の社員であるため給料、昇進のためにノルマを課せられています。ですのであの手この手を使ってお客さんに保険に入ってもらおうと頑張ります。つまり保険会社の社員は親切心でお客さんに保険を紹介しいるわけではなく自分たちの目的のために保険を進めてくることを忘れてはいけません。保険会社の営業マンの中には人当たりが良くお話が上手な方もいますがそのような人に優しくされたから保険を買ってあげないと悪いなど感情的な部分で保険を判断する人もいます(特に高齢者に多い印象)が先ほども言ったように保険を検討する際は感情ではなく、理屈で判断することが大切です。

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