終身雇用の終わり

人生

私は日系の大手電機企業に勤めており新卒で今の会社に就職しました。転職することもなく今まで10年以上働き続けてきました。入社当初は大手企業でしたしこの会社でずっと働き続けるのだろうと漠然と考えていました。しかし激しい環境変化の中で終身雇用という日本特有の雇用形態は終わりを迎えていると思います。

その大きな要因としては国際競争が激しく会社自体が疲弊している点が挙げられます。現在、日経の電機メーカーはAIなどの先端領域分野は大手の米国企業にそのコア技術を独占されておりこの分野で利益を上げることが難しくなっています。一方従来型の家電などの電化製品については中国を筆頭にアジア諸国の猛烈な追い上げを受けています。日本に住んでいるとあまり実感しないかもしれませんが中国の企業が作る製品の機能は日進月歩で向上してきており、日本製品と遜色ないものになっています。一方価格に関しては日本製品より圧倒的に安く半値以下で買える製品も珍しくはありません。品質については日本にまだ優位性があると思いますがこの高品質を維持するために日本製品の価格は高くなりがちです。将来的にこの品質に対して付加価値を見出さない顧客が増えると日本製品の優位性はなくなり、日系企業の状況はどんどん厳しいものになると思います。

このような状況で日系企業は会社自身の存続のためにリストラを実行します。最近では特に40歳以上の社員をターゲットにして大幅なリストラを実行しています。このような環境下で私たち社員は以下のことを頭に入れておく必要があります。

・自分が希望しても受け入れられないこともある

日系企業の多くが事業を売却するためにある事業を分社化しそこに社員を出向させます。会社本体に残りたい思っても出向指示に対し従業員は拒否権はなく自分の希望とは関係なく出向されられます。ですのでどんなに自分が1つの会社に残りたいと思っていてもその願いが叶わないという現実があります。

・会社は最後はかなりドライ

会社はリストラ、出向対象が決まった場合、その社員に対して割増退職金など支援策を打ち出します。これは社員のためを思って提供してくれていると勘違いしてはいけません。会社は自分自身の存続のためにリストラを実行します。そのためリストラや出向対象者に穏便に自社から去ってもらいたいためこのような制度を提供します。万一、社員と揉めるようなことがあれば退職手続きに時間を浪費してしまいますし、マスコミに報道されてしまうと会社のイメージも悪化してしまいます。このようなネガティブな影響が出ないように会社は慎重にかつドライにリストラや出向処理を進めていきます。

高度経済成長期などの右肩上がりに成長していた時代では会社も従業員のことを思いやることができたかもしれませんが現在のような経済的な余裕がなくなっている状況では会社自身も去っていく社員にそこまでかまってられず、社員に対してかなりドライな対応をしてくることを念頭に入れておく必要があります。

・今の会社に依存しないでも生活できる準備をする

このような状況下では私たち社員は自分自身の生活を維持確保するために準備をしておく必要があります。具体的には今の会社にリストラ、出向指示されたとしても他の会社にいつでも移れるように転職サイトに登録しておいたり、会社以外の収入源を確保できるような副業を行っておくことが精神の安定につながります。

会社は社員の人生を保障するものではありません。最後は自分自身で自分の生活を守らなければいけないのです。その点をしっかり考えながら会社と付き合っていくことが重要だと思います。

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