銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術

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今回の本は元銀行員の著者が銀行がどんな考えをして投資商品を販売しているかをわかりやすく解説しているものでした。銀行に勤めたことがない私のような初心者でも理解しやすい本でした。印象に残った点は以下

①銀行員は自分のノルマ達成のために商品を販売する

投資初心者は自分に十分な投資知識がないため金融に詳しい人にアドバイスを求めます。その時真っ先に思いつくのは預金口座のある銀行だと思います。銀行員なら知識も信用もあるので一見良さそうに感じますがこれは要注意です。投資家は自分の資産を増やすことを目的に金融商品を購入しようと考えますが銀行員は自分の営業成績、つまりノルマ達成のために商品を販売します。ノルマを達成するためには銀行にとって利益の出る商品を提案してきます。しかし銀行にとって利益が出る商品=手数料が高い商品であり高い手数料は投資家にとって金融商品の収益率を悪化する要因になります。銀行が提示してくる商品の手数料は購入金額に対して2~3%が主流であり初期費用だけでなく、保有金額に対して毎年徴収される手数料もあります。ひどい場合には解約する際にも一定額の手数料をとる商品もあります。

毎年2~3%も手数料を取られると年利5%の優良な金融商品に投資していたとしてもその半分以上を手数料で持っていかれては資産形成は全く進みません。現代ではネット証券会社でインデックス投資をすれば手数料は0.5%以下の商品など山ほど出てきます。手数料という軸で投資商品を見ると銀行で販売している90%以上のものは購入検討に値しない商品であると選別することができます。

そのため投資商品を購入する際は銀行には近づかないことが賢明であると著者は主張します。

②投資は難しいものではなく学べば学ぶほどシンプルな方法に収束していく

私が一番賛同した部分がここです。投資をしていない多くの人が投資は難しい、怖いと感じていますが投資を始めた初心者は投資は損をするかもしれないが儲かるかもしれないと個別株を始めたり頻繁に売買すると言った段階になります。しかしさらに学習が進むと短期売買では大きく儲けることは難しいと理解し始め自分が持っている金融商品の販売手数料などを気にし始めて長期、分散、積立という姿勢で投資を始める段階になります。この段階に達すると毎日の株価を気にすることなく、毎日のメンテナンスも不要で商品を長期に保有するという姿勢になってきます。人によっては自分の商品の価格は年に数回しか確認しない人も出てくるようになります。このように投資は学べば学ぶほどシンプルな管理方法に収束していきます。

私も投資を始めたこと個別銘柄を良く購入していて毎日の値動きが気になって仕事が手につかないときがありました。しかし米国のインデックス投資を始めてから毎日の値動きはあまり気にならなくなりましたし、有事がない限り解約を検討しないので長期運用という姿勢に変わりました。この方法では翌日に資産が2倍になることはありませんが精神的にも楽で地道に資産形成ができるという点では優れていると感じました。この本を読んで引き続きインデックス投資を続けていこうと感じました。

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