テレビコマーシャルでCMをよくやっている会社には損害保険会社が多いですよね。その内容は「万一の時に入って安心」という言葉がよく聞かれますが本当にそうなのか疑問に思って今回の本を読んで観ました。
結論としては保険会社も営利企業であり入ってくるお金は多く、出ていくお金は少なくして利益を最大化したい、費用となる保険金の支払はできるだけ拒否したいという考えがあるのだと理解できました。保険会社も被保険者第一ではなく自分たちの利益を最大化することが目的であるということを頭に入れておいた方が良いですね。印象に残った点は以下です。
①盗難保険は入っても99%は保険金は出ない
自動車保険のCMは散々テレビコマーシャルで放送されており多くの被保険者を募集しています。そしてその自動車保険の多くに自動車が盗難された際の補償に盗難保険という特約が設定されていますが、この盗難保険、実際に盗難が発生した場合でも99%保険金は支払われないとのこと。その理由は盗難が発生し保険金を請求する場合、盗難された事実を被保険者側が立証、証明しなければならないと裁判所が判例を出しているからなのです。カメラ映像が残っているならともかくそのような環境を整えている場所は限られており、普通の一般市民はそのような立証をすることは難しいです。保険会社はプロ集団ですので盗難があった場合、支払を請求する被保険者に立証責任があることを当然知っています。
そのため、保険会社の戦略は被保険者から盗難があった旨、連絡を受けると適当な期間がを開けて「お車が盗難にあった事実を確認できません」という保険金支払不能通知を出してきます。それでも納得できない被保険者はクレームを出しますがその場合、保険会社は自分が雇っている弁護士を出し、弁護士を盾にして支払が必要な客観的事実をお客様側で証明してくださいと言ってきます。それでもクレームを挙げてくる被保険者の場合、裁判になりますが、裁判まで持ち込む被保険者は多くはありません。そのため多くの被保険者は保険料を払っているのにも関わらず保険金の支払を受けられないというのが実態のようです。
つまり保険会社は盗難保険については初めから支払うつもりがない前提で保険料を受け取っているふしがあります。最悪、裁判で争って負けたら支払えば良いぐらいで考えているということを理解しておいた方が良いでしょう。
被保険者は盗難という一大事が発生した場合に備えて保険に入っているのに保険金が支払われないと何のために保険料を支払っているのか、詐欺ではないかと憤慨してしまいますが、このような立証責任が被保険者側にあるということは裁判所が判例として出しているため、この事実を個人が4覆すことはかなり難しいでしょう。
重要なことは盗難が起こり、保険金を請求する場合は私たちが盗難されたという事実を証明しなければならないということを事前に理解しておくということです。
その知識をもって保険に入るか入らないかを判断することが自分たちの利益を守ることになります。保険料を払っているのだから1から10まで保険会社が面倒を見てくれるなど過度に信用しないようにしたいと感じました。
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