生命保険はヒドい。騙しだ

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生命保険はヒドい。騙しだ (幻冬舎新書) [ 副島隆彦 ]
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以前から民間の生命保険の有用性に疑問を抱いていたため手に取った本です。日本人は保険が大好きな国民性で私の親もたくさんの生命保険に入っていました。30年前以上前の保険は100万円を預けておけば15年ぐらい預けておけば2倍になる商品も珍しくはなく、良い商品もあったと思います。しかし日本経済の環境が変化して民間の生命保険の契約内容もどんどん変化しているようです。今回この本を読んで現在、貯蓄の手段として民間の生命保険に入るのはコスパが悪いだけではなく自分の財産を生命保険会社の食い物にされるリスクがあるということを認識しました。本著で印象に残った点は以下。

①支払保険料の6割が保険会社の事業費用に充てられている

生命保険会社の社員や営業のおばさんは教えてくれませんが契約者が支払う保険料は保険会社の中で純保険料と付加保険料に分けられます。純保険料とは保険金や給付金の支払いの財源となる保険料のことを言い、付加保険料とは保険会社が保険事業を営むために必要となる使用する保険料になります。つまり民間保険会社に支払った保険料全額が給付の財源になる純保険料に充てられるわけではなく保険会社が社員や営業のおばさんに支払う給料、高額なテナント費用、テレビで流すコマーシャルに登場する芸能人の高額な出演料に充てられます。これらの費用に充てられる付加保険料は保険契約者の受け取る給付金増加には全く寄与しません。そして大半の民間保険会社は純保険料と付加保険料の割合を公開していません。本著ではこの事業費用は支払保険料の6割を占めると書かれていました。支払った保険料の半分以上を保険会社に抜かれるのであれば支払いに対する見返りが少なくなるのは当たり前です。保険料を金融商品に置き換えてみると100万円投資する際に手数料として60万円取られるようなものです。金融商品で考えると条件が悪すぎる商品だということがわかるでしょう。

②保険会社の利益は契約者の利益と相反する

これは金融商品を販売する銀行の利益と金融商品を購入する顧客の利益が一致しないことと同じ状況です。保険会社が進める商品は契約者にとって有利になる商品ではなく保険会社の利益が最大になるモノです。ですから保険会社の言う通りにそのまま契約するとそれは契約者自身にとって有益な内容になるわけではありません。しかし保険会社の商品は契約内容が煩雑で金融商品の素人である契約者が理解しづらいものになっています。加えて相手は金融商品のプロである保険会社です。説明を聞けば聞くほど保険会社の都合のよい契約を結ばされる可能性があります。著者も保険内容を細かく確認せず奥さんに全てを任せていたために数十年支払続けた1千万円以上の金額が解約すると100万円ぐらいにしかならないという契約を結ばされていたことを後悔していました。

③保険契約の条件が悪くなった原因は経済環境の変化

日本の保険会社は日本政府との関係が深く相互に依存している関係にあります。そのため多くの保険会社は日本の国債を大量に購入しています。つまり契約者が支払っている保険料の大半が日本国債で運用されています。しかし日本国債の金利は1%未満で投資的には魅力的な金融商品ではありません。低利率の金融商品で運用された保険料が給付に回るとその支払が多くなるわけがありません。30年以上前の日本であればバブル景気で預金金利が7%,8%付くのも普通だったかもしれませんが現時点ではほぼゼロです。このような環境変化を考えると民間の保険会社の契約内容も変更せざるを得ず、過去に比べると魅力がない商品になっています。このように過去、条件が良かったからと言って盲信して民間保険会社の保険契約に加入するのではなく現在の経済環境を自分で調べて自分自身にあった金融商品を購入することが大事であることを再認識しました。

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