いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」

おすすめ書籍

今回、紹介するのは いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」という本です。

民間保険については別記事で基本的に加入不要と書きましたがこの本もスタンスと同じ論調で書かれています。ページ数も200ページ以下ですぐに読めるボリュームでした。


著者の後田さんは過去、日本生命の営業職にあった方で生命保険会社に勤めていた方が民間保険は基本不要という論調で書かれていたのが印象に残りました。特に印象が残ったのは以下の3点です。

①最強の保険は健康保険

 日本人は保険が好きな国民性で多くの人が民間保険に入っています。ただ多くの人は民間保険に入る以前に公的な社会保険に入っています。この健康保険は医療費の自己負担が3割で済むメリットがあります。これに関しては多くの方が認識していますがそれ以外にも高額療養費制度という制度が使用できます。仮に月の医療費が100万円を超えたとしても所得によって自己負担額の差はあるものの概ね、10万円以下の自己負担で済みます。このような制度があるため民間保険は副次的なもので必ずしも必要なものではないということが主張されています。私も高額療養費制度については20代の時は理解しておらず何も考えず、勧められた医療保険に入ったままでした。このように自分がすでに入っている公的な健康保険の保障内容を理解したうえで、病気やケガに対しては医療費以外に使用できる預金や貯金で備えることが賢明だと説明されています。

②現代医療の現状に保険約款が追従しない

 民間の医療保険では重大手術について数十万円支払うというような手術給付保証があります。この重大手術というものは開腹、開胸、開頭などを伴う手術を想定しています。ただ医療の進歩によって現在の手術は内視鏡を使った体に負担の少ない腹腔鏡、胸腔鏡手術が主流となってきているようです。このような主流な手術方法でも保険約款に手術給付の対象が重大手術に限定されていると給付は当然受けることはできません。また入院給付金という1日につき5,000円や1万円の給付がされる保証がありますがこれについても現代の医療は日本政府の医療費抑制政策で極力入院日数を減らすような傾向にあるようです。つまり民間の医療保険は契約時点で保険約款の内容が固定されてしまっていて将来、主流になっていくであろう内視鏡手術やロボットを使用した医療行為には給付がなされないリスクがあると説明されています。

③契約する前に感情で判断するのではなく理性で判断する

 医療保険は人にかかわる契約のため、保険のセールスマンから「あなたの大事な方が何かあった場合、不安じゃないでしょうか」など感情に訴えかけてくるケースが多いと思います。こういったセールス方法は多くの保険会社が良く使用する常套手段です。感情で物事を判断すると損得勘定と言った合理的な判断ができなくなり結果、自分に合っているかどうかわからない保険に入ってしまう事例が多々あります。医療保険を提供する保険会社も基本は営利を追求する組織です。そう考えた場合、加入者から徴収した保険料の総額よりも給付額は必ず少なくなるはずです。なぜなら保険会社は徴収した金額から組織運営費やCMに出演する有名人の高額なギャラを支払いさらにそこから自分たちの儲けをねん出しなければならないからです。このように理性で考えれば芸能人をたくさん出して宣伝を打っている保険会社のテレビCMの費用は誰が負担しているか冷静に判断することができます。

この本を読んで以前、保険は「宝くじの不幸版だ」と本に書かれていた意味が理解できました。宝くじは当たりが出たら当選金がもらえますが保険は不幸が当たれば当選金がもらえます。ただ共通しているのは宝くじも保険も運営組織が儲かるように出来ていて購入者や加入者が勝てるチャンスは少ないということです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました