株式によって自社製品の提供や割引券、図書カードなどをもらえる株主優待制度を実施している会社があります。例えばマクドナルドはハンバーガーやサイドメニューなどの引換券を株主優待制度に導入しています。株式を持っているだけで商品が無料でもらえるとなるとかなり得した気分になりますね。実際、私も10年以上前、株式投資を始めた時期はそういった優待がある株式を優先的に選んでいた時期がありました。ただ色々と経験してきた現在、株主優待目的での投資はあまり得策ではないと考えるようになりました。その理由を以下で説明していきます。
①優待制度と株価の成長性に関連がない
そもそも投資を始める大きな理由は自分の資産を増やしたいという動機があるからだと思います。手元の100万円を120万円にしたい。倍にしたいなど資産増加を預金に頼っても増える見込がないためリスクをとって投資を始めていると思います。つまり投資の最重要目的は資産の増加です。株主優待制度とはある株式を購入することで得られるおまけであって主目的ではないということです。また株主優待制度の有無と株価が今後値上がりするかには関連性がありません。自分で色々検討した結果、有望だと思った株式に株主優待があればそれはラッキーですが資産を増やすことを目的であるのに株主優待の有無で投資する株式を決定することは目的と手段が不一致となってしまいます。株主優待を得ることが第一目的とするのであれば優待の有無で株式の購入するのを判断しても良いと思いますがそうでなければ優待の有無で株式を買う買わないを判断することはやめておいた方が良いでしょう。
②優待制度は廃止される可能性がある
株主優待制度は会社が独自の判断で提供している制度のため株主がその優待を求めていたとしても会社の判断で継続、廃止の決定がなされます。ですので優待目的で購入していた株式がある時を境に廃止するとう可能性もゼロではありません。またこの株主優待制度は日本居住者でなければ利益を受けられない制度でその利益を得られない海外投資家には不評です。現在、日本の株式市場でも海外投資家の存在感が高まっているため、今後、優待制度に対する風当たりが強くなってくる可能性があります。そうした場合、優待制度を存続させる会社は少なくなっていくかもしれません。
③必要になった時はお金を支払って購入すればよい
3つ目は極論ですが優待で得られる利益というのは大抵の場合、お金を支払えば得られるものが大半です。ですので投資で資産を増やして優待で得られるモノ、サービスが必要になったらお金を支払って利益を得るという方法がより合理的です。優待で得られるモノ、サービスは特定の用途、目的にしか使用することができませんが投資によって増えた資産という物は必要な時にお金に換えて様々なモノ、サービスと交換することができます。そういった点で資産を増やしてモノが必要となった時にお金を支払って得た方が合理的です。
人間は感情的な生き物でもあるので株主優待で何かが無料でもらえると聞くととても得をした気持ちになりますが投資の世界では冷静になって理性で判断することが良いでしょう。
株主優待を得るためには個別銘柄の購入が必要ですが個別銘柄で資産を増やすのは比較的難易度が高いので私はしばらくはアメリカ株のインデックス投資で資産の増加を目指そうと考えています。
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