【パフォーマンス比較】FANG+ vs S&P 500

投資

  • NYSE FANG+ インデックス は、2014年9月19日から 2025年8月29日までのトータルリターン(配当を含めた総合リターン)の年平均複利が 約 28.81% です。
  • 同期間の S&P 500 は、同じく2014年9月19日~2025年8月29日で、年平均複利が 約 13.03%

ただし、「過去5年」だけに絞るときには、年平均での比較データでは多少ぶれがあります。たとえば:

  • S&P 500 を ETF で追った SPDR S&P 500 ETF(SPY)の 5年トレーリングトータルリターン がおよそ +14.64%/年
  • 一方 NYSE FANG+ インデックス自体の 5年での「トータルリターン」が、Investing.com のデータで「過去5年で+214.14%」という数字があり、年率換算するとかなり高くなります(これは約年率 約 21−23% 前後に相当)。

このように、直近5年で見ると、FANG+ のほうが S\&P 500 を上回るリターンを出してきた期間が多い、というのが実情です。


メリット(強み)

こうした比較から見えてくる FANG+ のメリットは主に次のような点です。

  1. 高成長銘柄への集中投資で高リターン
     FANG+ はテクノロジー、インターネット/メディア、消費者サービスなど「先端」あるいは「成長期待」の高い業界・企業に重きを置いています。そのため、業績・期待がうまく市場の変化を捉えた時に、非常に大きな上昇を取る可能性があります。過去5年で S\&P 500 を大きくアウトパフォームしていることが、この強みの証左です。
  2. インパクトのあるトレンドに乗りやすい
     AI、デジタルトランスフォーメーション、オンライン消費、ソーシャルメディア、クラウド、半導体など、成長ドライバーとなるテクノロジー動向を取り込んでいる銘柄群が多いため、これらのトレンドが強い局面では強いスパイクを示すことがあります。
  3. リスク調整後パフォーマンスの良さ
     あるデータ(たとえば「FNGS vs SPY」の比較)では、シャープレシオ、ソルティーノ比などリスク調整後の指標で、FANG+ 関連 ETF(または ETN)が S\&P 500 関連 ETF を上回っていることがあります。これは、高リスクを取る分、そのリスクをうまく報いるリターンを上げてきたということです。
  4. ポートフォリオの潜在的アクセント/ブースト要素として
     全体の資産配分の中で、ある程度の割合を FANG+ に振ることで、ポートフォリオ全体のリターンを引き上げる可能性があります。特に S\&P 500 のような幅広い指数で成長株が中心となる局面では、FANG+ はそのエッジを強める役割を果たすことができます。

デメリット(弱み・リスク)

一方、FANG+ には注意すべきデメリット・リスクも複数あります。

  1. 高いボラティリティ(変動性)
     成長株中心であるがゆえに、市場全体や金利、景気見通し・規制リスクなど外部要因に敏感です。調整局面では大きく下げることがあり、損失が出やすい。例えば COVID後の景気変動、金利の上昇局面、インフレ懸念などでテクノロジー株に逆風が吹いたことがあります。
  2. 収益の予測困難性・バリュエーションリスク
     多くの銘柄が将来の期待を織り込んで株価が高くなっており、業績が期待に届かないと失望売りに晒されやすい。成長が鈍化したり競争・規制が強まったりする環境では、S\&P 500 のようなより多様な企業群を持つ株価指数のほうが守りが効く。
  3. 分散の限定
     構成銘柄が限られており、業種や収益源が似たものが多い。これはメリットでもありますが、逆に言えばある特定リスクへの露出が大きくなる。技術・消費者向けインターネット系・メディア系のリスク(例えば規制・プライバシー・データセキュリティ・政策・サプライチェーンなど)がポートフォリオ全体に影響を与える可能性が高い。
  4. 下落時の損失が大きくなる可能性
     過去の調整・クラッシュ局面では、大きなマイナスが出やすい。「落ちるときは大きく落ちる」タイプの構造を持つ。S\&P 500 は構成企業が500社と分散が効いており、値動きが穏やかなことが多い。
  5. タイミング・マクロ環境への依存度
     金利動向・テクノロジーへの規制・グローバルな経済動向・サプライチェーン・為替などがパフォーマンスに強く影響する。これらがネガティブになると、一気に逆風となることも。
  6. 配当利回り・収益の安定性が低い
     多くの成長株は利益の再投資や成長に重きを置いており、配当をあまり出さない。したがって「現金収入を重視する投資家」には適さない可能性があります。

過去5年という期間で見ると、FANG+ のほうが S\&P 500 を大きく上回るパフォーマンスを出してきたことは間違いありません。年率で 20%を超えるような高リターンを実現したケースがあり、成長株が有利な環境であれば非常に大きな利益を得られたことになります。

ただし、これはあくまでも「過去の結果」であり、今後も同様のトレンドが持続するとは限らないということを常に念頭に置く必要があります。特に金利が上がる局面では成長株に割高感が出やすく、規制リスクも増してきています。

また、投資家としては「リスク許容度」「投資期間」「資産に対する他の部分との相関(分散)」「暴落時の耐性」などを考慮した上で、FANG+ をポートフォリオの中でどの程度組み込むかを慎重に判断するのが望ましいでしょう。

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