その分割払い、本当に得していますか?

投資

最近はキャッシュレス決済が当たり前になり、クレジットカードは財布の中の必需品になっていますよね。コンビニでもネットショッピングでも、カード1枚でサッと支払いが済む便利さは本当にありがたいものです。でも、その便利さに甘えて「分割払い」や「リボ払い」を気軽に使っていませんか?
実はこの支払い方法、見た目こそ“少しずつ払える”と安心感がありますが、中身はキャッシングと同じ「借金」です。ここをきちんと理解しておかないと、将来の家計に思わぬリスクを抱えることになります。

分割払いやリボ払いは、簡単にいえばカード会社からお金を借りて、あとで返しているだけです。しかも、その利息や手数料は意外と高く、年率で10%を超えることも普通にあります。リボ払いでは15%近くになるケースすらあります。住宅ローンや教育ローンのような低金利の借入と比べると、かなり高い水準です。つまり、「月々少しずつ払えるから大丈夫」と思っていても、実は高利率の借金をしているのと同じことなのです。

怖いのは、その「少しずつ」の積み重ねです。月に数千円、数万円なら大丈夫だろうと思っても、複数の分割払いが重なれば返済総額はどんどん膨らみます。さらに利息や手数料が乗って、本来の購入価格よりずっと高い金額を最終的に払うことになりかねません。これでは貯金も投資もできず、家計がじわじわと圧迫され、生活のゆとりがなくなってしまいます。高利率の借金は「お金が足りないから借りる」という悪循環を生みやすく、経済的な自立を遠ざけてしまうのです。

逆に、資産を増やしたいなら「お金を借りる側」ではなく「お金を貸して利息をもらう側」に立つことが大事です。これは金融の基本原則ですし、長い目で見ればものすごく大きな違いになります。たとえば、国債や社債を買うというのは、政府や企業にお金を貸して、その見返りに利息を受け取ることです。借金して利息を払う側とは正反対の立場ですね。こうした立場に回れば、複利の力で資産は時間とともに増えていきます。

さらに株式や投資信託を活用すれば、利息だけでなく配当や値上がり益も狙えます。もちろん投資にはリスクがありますが、計画的に分散投資をして長期運用を心がければ、借金の返済に追われる生活から抜け出し、逆にお金に働いてもらえるようになります。今すぐ欲しいものを借金して手に入れるより、将来の自分に利益をもたらす資産にお金を回すほうが、はるかに健全で豊かな生活に近づけるのです。

カード会社や金融機関は「分割払いでラクに」「リボ払いで毎月一定額」といった宣伝をしていますが、裏を返せば「高い利息を長く取りたい」というビジネスモデルです。これを理解しないまま使ってしまうと、せっかくの収入が手数料や利息で消えてしまい、資産形成どころではなくなります。

健全な家計管理と資産形成の第一歩は、借金をできるだけ避けること、そしてお金を貸して利息を得る側に立つことです。クレジットカードは、基本的に「一括払い専用の便利ツール」として使い、分割払いやリボ払いは避ける。浮いたお金は定期預金や債券、投資信託など、自分の資産を増やす仕組みに回していく。こうした小さな習慣の積み重ねが、利息を払う側から受け取る側への転換となり、将来の安定と豊かさをもたらしてくれます。

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