【米国株一択】日本株を持たない理由

投資

日本株が最近、好調です。数十年前には考えられなかった日経平均は40,000円台を軽く突破しており、日本株投資家にとってはうれしい状況かと思います。

ただ私は日本株は一切保有していません。今回は私が日本株を持たない理由を書いていこうと思います。

 投資対象として米国株と日本株のどちらに将来性があるかという点は、多くの投資家にとって重要な関心事です。両者にはそれぞれの強みと課題が存在し、短期的には一方が有利になる局面もあります。しかし私は長期的な視点から総合的に考えますと、米国株の方がより大きな成長可能性を秘めており、投資対象としての優位性が高いと思っています。

 まず日本株の特徴について見てみますと、日本企業は製造業や精密機器、素材産業といった分野で世界的に高い競争力を誇っています。トヨタやソニー、キーエンスなどはグローバルに存在感を持ち、安定した収益を確保しています。さらに近年では、東京証券取引所による企業ガバナンス改革や株主還元の強化といった取り組みが進められており、ROE(株主資本利益率)の改善が期待される局面も増えています。また、円安傾向が続けば輸出企業の利益が拡大し、日本株全体のパフォーマンスを押し上げる可能性もあります。こうした点は、日本株が依然として投資妙味を持つ根拠といえます。

 しかしながら、日本経済には構造的な課題が横たわっています。最大の要因は人口減少と高齢化であり、これは内需の拡大を阻害し、経済成長の潜在力を削ぐ大きな要因です。加えて、長期にわたるデフレと低金利環境は企業の積極的な投資や賃金上昇を抑制してきました。その結果、新たな成長産業の創出が限定的となり、世界的な潮流に後れを取る傾向が見られます。このように、日本株は安定性こそあるものの、長期的な成長ドライバーに乏しいという弱点を抱えています。

 一方で、米国株は長期的に見て非常に力強い成長を遂げてきました。米国は世界最大の経済規模を誇り、人口も増加傾向にあります。移民を受け入れることで労働力人口を確保し続けている点は、人口減少が避けられない日本と対照的です。この人口動態の差は、将来的な経済成長の基盤に直結する重要な要素です。

 さらに、米国はイノベーションの中心地であり、世界経済を牽引する数多くの巨大企業を生み出してきました。GAFAに代表されるテック企業はクラウド、AI、デジタル広告などの分野で圧倒的な市場シェアを誇り、社会や産業の在り方そのものを変革しています。加えて、米国にはバイオテクノロジー、宇宙開発、再生可能エネルギーといった新興分野でも活発な投資と起業活動が行われており、次世代の成長エンジンが着実に育っています。こうしたダイナミズムは日本市場にはなかなか見られない特質です。

 米国の資本市場そのものも非常に魅力的です。株式市場は流動性が高く、情報開示の透明性も確保されており、世界中の投資マネーが流入しています。スタートアップ企業が資金を調達しやすい環境が整っているため、革新的なビジネスが次々と誕生し、それがまた新たな投資機会を生み出すという好循環が存在します。この資本市場の厚みが、米国株全体の成長を下支えしているのです。

 もちろん米国にも政治的分断、巨額の財政赤字、地政学的リスクといった課題は存在します。しかし、過去を振り返りますと、米国経済は度重なる危機を乗り越える中で新たな産業を生み出し、むしろ成長の契機としてきました。ITバブル崩壊やリーマンショック、新型コロナウイルスといった大きな試練を経ても、そのたびに市場は回復し、より強固になってきたのです。

 総合的に判断しますと、日本株は一定の安定性と堅実さを持つものの、構造的な制約により成長余地は限られています。他方で、米国株は人口動態やイノベーション、資本市場の厚みに支えられ、今後も世界経済の中心として成長を続ける可能性が高いといえます。したがって、将来性という観点から結論を出すならば、米国株の方が優位であると明確に述べることができます。

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